今日、地元の公民館でドキュメンタリー映画
「アレクセイと泉」監督:本橋成一、音楽:坂本龍一をみる。86年に起きたチェルノブイリの原発事故の近隣の村を2000年から追ったドキュメンタリー。50人の老人とアクセレイという一人の青年が小さな村で、ロシア政府からの立ち退きの勧告を聞かずに生きて行く話。この村の泉は100年前の水が出るらしく、原発事故による汚染も検出されずに住民にわき水を提供し続けている。住民は泉を守り、自然との共存、自給自足の生活を営んでいる。
今回の上映は、講演とセットで本橋監督の話も興味
深かった。厳戒な寒さの中、水を巡る住民たちの自然
を尊重する生き方に本当の豊かさを見たことをとつと
つと述べられていた。今回は16ミリフィルムでの
上映で、映像のアナログな素朴さが心地よかった。
また坂本龍一の音楽との絡みも素敵だった。
続いて、恵比寿のナディッフで行われたヨーゼフボイス
に関する、トークセッションに顔を出す。
会田誠×松陰浩之×モブノリオという豪華な顔ぶれ。
ここでも84年に来日したボイスのアートの思想を改めて聞いて、
自然を尊重するスタンスをシュナイダーの理念と重ね合わせて
語っていたのが印象に残る。来日以来、四半世紀をへてボイス
の思想が見直され、経済一辺倒の昨今の世界の価値観が、大不況を
経た今どのように変わって行くのか、はたまた変わらず
にインチキ臭い地球を守ろう的なスローガンだけが舞い続け、
経済に重きを置き続けるのかというのがとても興味深い。
そんなこんなで、現代の資本主義社会のなか都会に住み続ける
身に、感じられる豊かさについて考えさせられる一日だった。